アイザック スターンのこと
先日の夜車でコンビニに行くとき、ラジオからバイオリンの音が流れていた。
ポピュラーな曲。古い録音。すごくいい。
誰の演奏?
曲が終わってアイザックスターンだとわかった。
やっぱりスターンってすごいんだと思った。
25年前、宮崎国際室内楽音楽祭が始まって、メイン演奏家がアイザックスターンだった。クラシックは好きだけど、バイオリンのことはよく知らず、アイザックスターンも一応「有名な人」ぐらいの認識で聞きに行った。複数のプラグラム出て、モーツアルトとかブラームスとか弾いた。ブラームスの弦楽6重奏曲第2番も弾いた。
その時、テクニックのことは全然わからないのだが、「名人芸だなあ」と6代目中村歌右衛門のことを思い出した。
歌舞伎もクラシック音楽も素材は与えられたもので、それを練習とかで磨いていくものだ。それを観客に見せるとき、自然体で、力が入らず、本物を見せることができる人。その道の一流の人でも、なかなかそんな風に思える人は少ないのではないかと思う。
残念なことに有名演奏家の演奏を聴いても、なんか感動しないことあります。
スターンは、演奏の意図が明確で、作曲家がたぶん伝えたかった曲の感情を、さらりと表現していたように思った。そして音楽というものの喜びをストレートに伝えていた。
久しぶりにスターンの演奏をラジオで聴いて、25年前の私の感覚は変わっていなくて、CDを集めて聴こうと思った。
ちなみに今年はスターン生誕100年で、ラジオ番組もそれで企画されたようだ。きょうと明日のラジオも楽しみです。