もっともらしくない!!

早期退職したアラ還。毎日が発見!周りのものを大切に愛をもって暮らしていく中で気づいたことや考えたことを書いています。

トランプ氏退任のきょう、「民主主義の死に方」を再読する。

 

 

トランプ氏の言動については、実は多くの一般市民はよくわかっていない。

なぜならば、多くの人がマスコミを通してその言動を知っているのみで、一部の言動を都合よく引用して、ヒーローにしたり悪者にしたりしているだけだからである。

トランプ氏のSNSでの発信も、トータルな思想の伝達としてどうのように伝わっているか?

そもそも、短い文章では、微妙な思想は伝わらない。

そもそも、トランプ氏は説明をしない。議論をしない。

あえて、Twitterのような短文のツールで、微妙な思想の伝達を避けてきたのかもしれない。

その辺もぜんぜんわからない。

全体的なトランプ氏の言動の真意は、実は今後解明されていくのかもしれない。トランプ氏は好き放題したのかもしれないが、トランプ氏自体も誰かの都合のいいように利用されてきただけかもしれない。

この本に書かれているアメリカの民主主義を維持する古き良き慣習は、今回の大統領選をめぐるさまざまな出来事で、完全に失われてしまったように思える。

 

 この本は2018年に出版された。

アメリカ合衆国の民主主義に危機感を抱き、これまで各国で民主主義が独裁に変わる過程を概観するとともに、アメリカ合衆国でどのようなメカニズムで民主主義が維持されてきたのかを分析する。

 

民主主義が崩壊する国家の特徴として、国民は独裁者をそうとは認識せず選挙によって選び、その選ばれた政治家が巧妙に独裁に移行させていく。

民主主義の制度を使って、さりげなく、合法的に民主主義を殺す。

アメリカにおいては、これまでは抑制と均衡のシステムがうまく作動してきて、民主主義を保持してきた。

それは、制度ではなく規範であった。相互的寛容と組織的自制心である。

まず ひとつ は「 相互 的 寛容」 ─ ─ 競い合う 政党 が お互い を 正当 な ライバル として 受け 容れる という 理解。 もう ひとつ は「 自制心」 ─ ─ 組織的 特権 を 行使 する とき、 政治家 は 節度 を わきまえる べき で ある という 考え。

ティーブン・レビツキー; ダニエル・ジブラット. 民主主義の死に方―二極化する政治が招く独裁への道― (Kindle の位置No.327-329). 新潮社. Kindle 版.

これらの規範により、共和党民主党が泥沼化せず、法の整備や選挙において代表者の決定を行ってきた。

しかし現在のアメリカでこれまで維持されてきた政権獲得における寛容やバランスを無視した行動が取られており、現在のトランプのやり方が、寛容と自制心のないピークである。

 

ここまでが、重要なのだが、一応結論までの要点を続けます。

 

この本では、トランプ後の未来を3つ予測している。

1 トランプ氏が失脚し、民主主義が回復する。

2 トランプ氏と共和党が白人至上主義のもと権力を持ち続ける。

3 二極化、政治の不文律からのさらなる逸脱、制度上の争いが続く世界つまり、寛容と自制心がますます失われ、強固なガードレールのなくなった民主主義が拡大する。

筆者は"3”がもっともありそうだと考えている。

そして、たとえ民主党が勝ったとしても、安定した民主主義は戻らず、党同士の敵対意識と規範の衰えは強まり、加速する可能性を提示している。

だから、トランプ政権を倒すには、民主的なルールと規範を尊重し、議会、裁判所、選挙を中心に進めるべきだとしている。

一般市民としては、支持政党はちがっても、個別の問題で共通の見解を持つ人々との連携を期待している。

加えて、既存政党そのものの見直し。特に共和党は過激主義の要素を取り除き、白人至上主義に訴えず選挙に勝つ方法を考える。民主党は中低所得者の白人有権者の支持を獲る政策を打ち出す。

当然のように存在していたアメリカの民主主義を内側から死なせない努力をしなければならない、と結んでいる。

 

未来に力を持つ提案ができているかというと、ものたりないが(だって、そんなことむずかしいよね・・・)、民主主義が寛容と自制心という成文化されていないものに支えられて維持し続けてきたという分析は非常に意味を持つものであると思う。

そして、成文化されていないものによって維持されてきたのであれば、なんと脆いものの上に成り立っているということか・・・

だから、トランプ氏は、それを無視し、好きにやってこれたのである。成文化されていないから規制はされない。

 

その結果、トランプ氏は敗北し、民主党の大統領が生まれる。その意味ではアメリカ国民に民主主義を自浄するバランス能力があったということか?

しかし、1月6日に連邦議会議事堂が暴徒によって占拠されるという忌まわしい事件が起きた。

きょう1月20日の就任式にあったても何が起こるかわからない。

これが民主主義のお手本の国アメリカ合衆国の現実である。

 

わたしは政治の決定手段として民主主義が絶対だとは思っていないが、現在のところは最高の制度であろう。

しかし、多くの市民の利益につながるポピュリズムが力を持ち、移民等弱者の権利が守られない社会に向かいつつある国が多くなり、民主主義が失われ人間一人一人の権利を維持するのがむずかしい社会になりつつある。

この社会がどうなっていくかというと、可能性として最初に述べた「選挙で独裁政治に導かれる」ことと繋がるのである

アメリカがどうなるのかは、わたしの自由と権利の問題でもある。

日本がどうなっていくのか、どうすればいいのかのモデルでもある。

アメリカの民主主義にどうにか持ちこたえてほしい。

 今、わたしにできることは注意を持って、アメリカの動きを見定めること。

 

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