もっともらしくない!!

早期退職したアラ還。毎日が発見!周りのものを大切に愛をもって暮らしていく中で気づいたことや考えたことを書いています。

【三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実】を見る。あやふやな、わいせつな日本との闘い。

うちの子から、【三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実】のDVDが送られてきた。

 

 

「映画館で見て大変面白かったので、DVDを買った。母にも別に1枚。母も見るべき。」とのこと。

うちの子及び今どきの人の思想については、後日語る機会を持てるとよいと思う。

 

三島は10冊ぐらいしか読んでいない。特になぜ天皇中心的思想を持ち、盾の会を作ったのかとかいうところは、間接的に解説文で読んだことしかない。興味はもっぱら文学というか文章だった。

全学連もイマイチ何だったのか、どういう思想だったのかわかっていなかった。

 

まず、感想から。

三島はGenltemanである。学生の言葉を聞き、それに真摯に答えている。時には自虐ジョークを言うが、学生の意見をかわそうとはしない。真向から答える。学生の言葉を遮らない。最後まで聞いて話し始める。言葉遣いもきれいだ。たいへん好感を持った。

学生も真摯である。学生はやはり若さ特有のせっかちさがあるが、三島から何か引き出そうとしている。特に芥正彦という人は、演劇をする芸術家として後を生きていった人だけあって、話す内容が人にはわかりにくい独特の表現なのだが、彼なりの明確な世界観を持っている。また、別の学生に対して恫喝っぽい発言をしたり表現することもうまく、こんな人がいたのだということを初めて知ったわけだ。

 

次に、これを見てわかったこと。

  • 三島も全学連も、他の強力な思想に負けたのではない。世間のノンポリティカル・無関心に負けたのだ。(両者とも負けだとは思っていないかもしれないが、権力は持てなかった。)三島がこのような趣旨の発言をしている。「政治家や権力者は論理を大事にしていない。彼らは論理ではなくこの世の秩序が大切なのだ。」
  • 三島の考える三島と全共闘の共通性

  • 暴力の容認 両者容認しているが、特に三島は、自らが暴力を起こす時(殺人)、それは非合法であり罰せられるべきである。だから人を殺してしまったら捕まる前に自死したいという。つまり、暴力は非合法がだ、暴力でしか解決しないことがあると考えていた。
  • 反知性主義 知識を持って君臨しているが、なにも行動できない知識人が大嫌い。
  • 「行動の無効性」 かなり自虐であるが、両者とも社会に対して大した影響力がないとわかっている。それでもそれそれ自分たちの思想・行動が必要だと思っている。
  • 「反米愛国思想」 このDVDのコメンテーターの内田樹が言うには、全共闘は実は反米愛国思想であり三島と共通している。そこも何か理解できるかなあと思った。
  • 私が感じた三島と全共闘の共通性

  • 既成概念の破壊 三島は反共産主義的な革命を志向していた。全共闘がどのような革命を志向していたのかはよくわからないが、どちらも革命志向であり、既成のものを破壊したかった。
  • 全共闘とは何なのか、この討論ではさっぱりわからなかった。そのそも一環した統一した思想がないことこそ、全共闘が活動した土台なのか。この辺も誰か分析しているのだろうから、確認したい。
  • わかったのは、全共闘の芥正彦氏がこのDVD制作にあたってのインタビューで、全共闘と三島の共通の敵は「あやふやな、わいせつな日本であった」と発言していて、全共闘は、この日本に対する気に入らなさを行動で表現していたということは理解できた。
  • このDVDでは語られなかったこと

  • 三島が天皇を掲げ、反共産主義であることの理由。これはちゃんと著作を読めば知ることができると思うが、この映像では、三島は、天皇を日本民衆の底辺に根付く揺るがない象徴として掲げる観念的理想像であったことがわかる。また、反共産主義については「共産主義と対立することに決めた。」としか発言していない。
  • その他感想

  • 三島は当然北一輝の著作を熟読していたのだろうが、天皇を持ち上げて活用しようとする考え方や革命の考え方が北一輝と近いと感じた。しかし、映像だけでは、三島の詳細な思想、戦略が何だったのか、北一輝との違いが何なのかまでは語られていない。上記の「なぜ、共産主義と対立しなければならないのか。」と併せて三島がどういう国を目指していたのか読まなくてなならない。

最後に

三島は、「討論会場で学生が口にすることも嫌だったであろう「天皇」という言葉が何度も使われた。言葉は言霊である。言霊がこの会場に広がっている。・・・諸君の熱情だけは信じる。」といって会場を去る。

やっぱり言葉の人だ。彼の言葉は大切に聞かないといけない、読まないといけない。そこで選ばれ使われている言葉を丁寧に受け取って、三島と対面するときがきたのだろうか・・・

これまで避けてきたわけです。この対面は苦しいだろうなと思って。勇気が要ります。

 

 

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