オリンピックでイスラエルのことを考える。
長い間、祖国を奪われ、世界に離散し、ゲットーに住まわされ、ナチスによって多くの命が奪われたユダヤ人について、同情と応援の強い気持ちを持っている。
しかし、イスラエル・パレスチナ紛争で、パレスチナの居住区を武力で奪い、抵抗するパレスチナについてゲリラ扱いするイスラエルについては、いただけないと思っている。
アメリカを味方につけて国軍による攻撃を正当化し、パレスチナの攻撃を「ゲリラのテロ」と非難するが、その行為には疑問を呈せざるを得ない。
そして、イスラエルもパレスチナもこれまで数えきれない多くの市民が殺されている。
武力は豊富な資金を持つイスラエルのほうが圧倒的に大きい。
というのが、限られた情報収集の上での、私の考えである。
今回のオリンピックでは日本人開会式関係者が昔ホロコーストをギャグにしたということで、ユダヤ人団体から抗議もあって、その人は解任された。
ホロコーストをギャグにすることは絶対に許されることではない。
ミュンヘンオリンピックでは、イスラエル選手11名がパレスチナゲリラによって殺された。
このように人の命を奪うことも許されることではない。
今回のオリンピックでは、このミュンヘンオリンピックで亡くなったイスラエル人を追悼する黙とうが行われた。
これも妥当なことだと思う。
そのころ、アルジェリアの柔道ヌリン選手がイスラエル選手の対戦を避けるため棄権したというニュースを読んだ。
わたしは、この人が思想的にも生理的にもイスラエルが嫌いで、柔道で相手として組みたくないのだろう。そこまでイスラエルが嫌いなのだと思った。
ところが、きのう次のニュースを読んだ。柔道81キロ級銀メダルのモラエイ選手について。
2018年の世界選手権で優勝したモラエイ選手は、2019年の世界選手権東京大会で途中まで勝ち進んだところで、イラン政府から試合を棄権するよう指示が入った。
決勝でイスラエルの選手と対戦する可能性が高まったためだ。
だが指示を無視して試合を重ね勝ち進めと、政府からの圧力は強まった。「親が住む家に公安組織が待機している」とも伝えらたというのだ。
それでも戦い続け、準決勝で敗れ、3位決定戦も負けた。
それから、ドイツに逃げ難民となり、モンゴル国籍を取得して今に至っているとのこと。
これを読んだ時点で、前述のアルジェリア選手は棄権の決定までに何があったのだろう、単純に本人の意思ではないのだろうと思うに至った。
そして、オリンピック休戦期間中であるにも関わらず、次の事件。
ガザから発火物付き風船がイスラエル領内に飛ばされたことへの報復として、イスラエル軍は7月25日、パレスチナ自治区ガザを空爆した。
イスラエルに関係する悲しい出来事は終わる気配を見せない。
解決への道はないのか・・・
そして、この問題についてもわたしが知らないことが多すぎる。もっと勉強しなくっちゃ!
きのう、Amazonで注文していた「音楽と社会」という本が届いた。
ユダヤ人音楽家バレンボイムとパレスチナ人思想家サイードの対談集である。
この二人は、イスラエルとパレスチナの青少年のオーケストラを編成するなど、音楽によるイスラエル人とパレスチナ人の理解と友好に取り組んでいる。
本当の平和には、枠組みとしての停戦や平和協定だけではなく、市民レベルの理解と平和への思いが重要だと思うのだ。
オリンピック期間に読もう。
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