阿部謹也著「世間とは何か」

今週のお題「読書感想文」

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私たちは常に世間に囲まれて生きています。

世間という曖昧な力について意識していたのは、ぶん昔著者の阿部謹也先生のご発言を聞いていたからだと思います。

先生から離れたあと、この「世間とは何か」という本が出版されて、すぐに読ませていただき、私なりの整理をして、世間にまみれて生きてきました。

今回のコロナをめぐる出来事の中で、たとえば、コロナに感染したからといって謝罪したり、近所で差別されたり、自粛警察なるものが出現したりして、改めて「世間」の力を感じていました。改めて久しぶりにこの本を読みました。(家で探したらなくて、(たぶん人に貸しっぱなし?)購入してしまった。)世間もそうだったようで、この数か月この本が再注目されているようですね。

この本では、世間とは何か実は皆よくわかっていないが、世間というものに拘束されて生きている「日本社会」について歴史的に考察しています。西洋では個人が確立しておりその個人の意思に基づいて社会が成り立っているので、社会は個人がコントロールできるが、日本の場合は世間は所与とみなされていて、個人の力で変えることは難しいものであるとの認識であります。

本書は「はじめに」と「序章」だけでも読む価値があります。世間というものを少しでも客観的に見ながら、世間にまみれていくのと、そこを考えることなしに、目の前にある出来事に対処するのとまったく違うからです。

今回のコロナをめぐる日本でのさまざまな出来事は、個人の行動や企業の活動がヨーロッパ等のように罰則がある法的規制がなされない極めて日本的なあいまいな制度であった規制と、「世間」の力とのダブル攻撃で、ちょっといやらしい世の中に向かっていました。今は5月頃ほどではないかもしれません。

コロナの中だからこそ、世間とうまくつきあう、できれば世間を変えていくため、いまこの本に価値があると思っています。

(お題を見て、すぐ書こうと思って、精考せずに書いているので、言葉足らずは申し訳ありません。)