前のブログの続きです。
第2の問題 オーケストラで演奏して伝えるものは何なのか?
東フィルの名誉指揮者であるチョン・ミュン・フンとの演奏は、東フィルのメンバーに、彼らの存在理由である「演奏すること」について一段と考えさせ、演奏も良くなるようです。
東フィルのメンバーと実際のチョン・ミュン・フンのコメントを通じて、チョン・ミュン・フンが演奏者に伝えたいことにふれることができました。
私のレベルは今は全然低いし、どれだけがんばっても東フィルの方々のレベルにはならないのはわかっていますが、演奏するものとして、目指さなければならないことの参考に大いになった次第です。
後の自分のためにも、書き残しておきます。
1 音の深さ
最初に東フィルと共演した際に、チョン・ミュン・フンが東フィルに送ったものはスコップだったそうです。
「音を共に深く掘り下げよう。」
音の深さについて、チョン・ミュン・フンは向上を求めています。
メンバーのコメントです。
体の奥底から音をしぼり出して、奥の方から出す。薄っぺらい音ではなく深くて温かくて(と言われる)。その音が出るまで何10回、何100回と音を出す。
音を作るときに深いところから出してこい(と言われる)。深さって、何が深いかというと、心の深さというか、感動するときって、心の深いところが震えてると思う。
感動して弾け、共感して弾きなさい(と言われる)。
すべての音色に意識を払って弾け(と言われる)。それを忠実に守ろうとすると楽器の音まで良くなる。
音程、リズム、そして音色、それも深い音色が重要なのですね。
2 ハーモニーの中に入れ
3 表現しろ
これらも、そうだよね・・・
4 音符の周りに注意する。
チョン・ミュン・フンが今回の練習で言った言葉
私の大好きな作曲家マーラーの言葉です。「音楽で本当に美しいものは、音符の中にはない。」音符の間に何があるのか、音符の周りに何があるのか、音符の前後に何があるのか。
いやー、これは難しい。でも、作曲家は音符の周りまで意識して作っているよね。音楽って音符の周りで表現されているともいえるかもしれない。そこを考えないと曲として理解していないことになるのね。
5 私の指揮のひと振り目 その前から音を意識してください。
これはよく言われること。うんうん・・・
6 ピタッと始まらない演奏
チョン・ミュン・フンが言った言葉
もちろんオーケストラは一緒に演奏するものなんですが、もっと人と人がともに感じ合う演奏はこんな風にピタッと始まる演奏をしてはいけない。
これはすごいと思ったのです。
オーケストラでの正確な音の出だし、ひいては正確な音の長さ、リズム、さらに同じ正確な音程。
これらのものは、人と人が感じ合う範囲で合わせるものであり、合わせることが目的ではない、ということなんだと理解しました。
とにかく「合う」ことを目的としてしまっては、機械の演奏になるということかなあと思いました。
演奏が合うのは、その音楽を理解し、心で共感しているから、結果として「合う」のだということでしょう。
このレベルはすごい!!
チョン・ミュン・フンって、すごいことを言う人だと思いました。それとも、優れた指揮者はみんなこのようなことを考えているのでしょうか?
これらのすばらしい理想と、自らのつたない演奏に折り合いを付けながら、理想に向かおうと、さらにガンバル気持ちになったのでした。
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