もっともらしくない!!

早期退職したアラ還。毎日が発見!周りのものを大切に愛をもって暮らしていく中で気づいたことや考えたことを書いています。

弦楽器フェアで合計500万円を超えるチェロと弓で弾いてみる。 楽器の相性 恩田陸「鈴蘭と階段」

わたしがレッスンを受けている楽器屋さんは年2回弦楽器フェアをしていて、提携している大阪の弦楽器屋さんが楽器と弓をいろいろ持ってくる。

いろんな楽器にお目にかかれる機会のない田舎の弦楽器ファンは、こういう時しか実際に楽器を見たり弾いたりすることがない。

私のチェロも弓も過去のフェアの時に購入した。

チェロのお仲間もほとんどが同じ購入者だ。

楽器の無料点検があるので、毎回楽器を持ってフェアに行く。

今回お仲間が数人いて、いっしょに展示してある楽器を見て回った。

お値段的にはそこまで高価でない楽器がたいへん木目がきれいでみんなで驚いていた。

で、いちばん高い楽器と一番高い弓で試奏してみようということになった。

大阪の弦楽器店の社長さんのアテンド(監視といっていいかも)で別室に行く。

皆で交代で弾いた。

チェロは1940年のフランスのもので小さめ。300万円台だった。

弓はギヨームのもの。170万円台だった。

www.siejapan.com

 

音は、芯のある太い落ち着いた音。自分で弾くより人が弾くのを前で聞いた方が音がよく聞こえる。

左手の指で弦を押さえやすい。ソフトな感じ。

でも、わたしは自分で弾くには好きではない音だった。

もっと艶と明るさがあるほうが好き。

一緒に試奏した方の一人はいつも一緒にアンサンブルをしている方で、「あっ!この人の好みの音だ!!」と思ったら、やはりすごく好きだという。

彼女の演奏にも合っている。

ただ金額的に購入には至らない。

 

私たち素人でさえこうなのだから、プロはさぞや楽器選びはたいへんなのだろうと思う。

 

先日、たまたま、恩田陸の「蜜蜂と遠雷」とその登場人物のでてくる短編集「祝祭と予感」を読み返していたのだ。

ごぞんじのとおり、これはピアノコンクールにでるコンテスタントのお話だが、メインの女性の友人兼お世話役をしている奏(かなで)さんという登場人物がいる。音大でヴァイオリンをしている。小説全体で弦楽器奏者は彼女だけ。

蜜蜂と遠雷」の物語の後、彼女はヴィオラに転向するのだが、その楽器選びの話が「祝祭と予感」の中の「鈴蘭と階段」である。

 

 

この短編は小説としてよくできている。チゲ鍋の作り方と楽器・弓選びが微妙に重なっていたりする。

自分にあった楽器は必ずしも弾きたい楽器でない。

まったく自分とすれ違う楽器がある。(とりつく島がない。)

今は自分とは相性がいいわけでないけれど、目指す演奏に導いてくれる。その「目指す」方向も出会った楽器が教えてくれることがある。

楽器をさがしても、世界中の楽器は一つずつ違うもので、全部を試して決められるわけではない。

その状況で楽器を決める、ある種運命的な出来事。

そういう不思議な楽器との出会いの話である。

 

わたしはたいへん数少ない選択肢の中から、1時間ぐらいで楽器を決めたのだが、後悔は全然なく、今でも自分の楽器の音が好きだ。

これは幸いなこと。不満があったら、高価な楽器をまた探すことになる。

 

lamabird.hatenablog.com

 

ただ、これからも弦楽器フェアでまた高価な楽器は試してみたい。純粋にどんな音が出るか好奇心は尽きない。

 

今回のフェアでは、初めてヴァイオリンも弾いてみました。ちっちゃい!!おおお!弓になれているので一応音は鳴ったけど、左手の指は動かせなかった😢

 

 

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