もっともらしくない!!

早期退職したアラ還。毎日が発見!周りのものを大切に愛をもって暮らしていく中で気づいたことや考えたことを書いています。

チェロの弦を張る

今週のお題「怖い話」

全然下手だけどチェロを弾きます。

クラシックの弦楽器になじみのない方に弦楽器について少し説明します。

バイオリンとかチェロとかって、音を出す仕組みそのものは極めてシンプルです。

2点の間に糸を張る。ゆるく張ったら低い音がでます。強く張れば張るほど音が高くなります。弦楽器はただそれだけです。

よい音が出るとか大きい音が鳴るとかいう音質の問題は、複雑な仕組みであるのだと思います。でなければ、18世紀のストラディバリウスやグァルネリが今も楽器の最高峰で、現代の科学を以てしても、それを上回るものがないといわれるはずがありません。

で、弦の張り方なのですが、一方は固定して、もう一方を糸巻(ペグ)に巻き付けて固定します。固定の仕方は、弦を巻いたもの(ペグ)を単に先が細くなった穴に強く押し込むという全くもってシンプルなものです。摩擦の力のみです。

音程の微調整はペグと逆の端にあるねじでできるのですが、半音のさらに半分の半分ぐらいしかできません。

楽器は木でできているので、温度や湿度で音程が変わります。また、温度・湿度の変化で押し込んで止めていたペグがはずれて、弦がベローンと緩んでしまうこともあります。経験的には冬になるころが多いです。

大きく音程が変わっていたり、弦が完全に緩んだときは、音程を合わせてペグを穴に固定させなければなりません。

これが繊細さと力が必要なのです。

弦を強く張りすぎると弦は切れてしまいます。でも正確なある音程にしないと楽器として使えません。チューナーを見ながら「ここ」というところで押し込む(ねじ込む)作業は修業の足りない私は冬でも汗だくになります。(知っている弦楽器メインテナンスをされる女性の方もたいへん力を要するといるとおっしゃっていましたので、わたしが非力なのではないと思う。)でも、深呼吸して、冷静に、落ち着いて、丁寧に・・・

失敗すると弦が切れるという結果で終わります。

弦は細い弦(高い音に張るもの)から太い弦まで4本、私が使っているので値段が細いので3000円前後、太いのは20000円ぐらい。

バイオリンは小さいからか、弦も安い。うらやましい。

弦を切ってしまうとお金が消えていく恐怖。

幸い細い弦のほうが切れやすいです。

弦が緩んでしまってペグを動かす恐怖。失敗するたびに注意ポイントは増え、前よりうまく弦を張れるようになってはきますが、やっぱり年に一度ぐらいはやらかしてしまう。

知人で、ペグを動かすので自分ではせず、人にお願いするという人もいます。でもね、自分のことはやっぱり自分でしたいよね。弦を張ることに習熟するには投資が必要なのでしょうか?

日々テクノロジーが進化し、いろんな電化製品等が生まれていますが、うまく作動しないとき、どこが壊れたかもよくわからないし、わかっても部品がないとかで全部買いなおしになったりしますよね。

一方、この楽器は単純な原理で、力とか習熟とかで扱っていけるという超アナログな安心感があります。(音の質については、先に述べたとおり、悪くなったら複雑な調整が必要だと思いますが)

そして長持ち。わたしの楽器も江戸時代のラベルが付いています。信じられない長持ちです。電化製品と大違いです。

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